STAFF

看護師  所長

角谷 奏穂

大学病院の手術室看護師として4年間の経験を積んだ後、
ケアプロ訪問看護ステーションへ入職。

質の高いケアが叶うステーションへ

これまでのキャリアを教えてください。

もともとは手術室看護師に憧れて看護師を目指し、地元で大学卒業後、上京し東京女子医科大学附属病院手術室で4年間勤務していました。
学生時代に法医学や老年看護分野の講義を通して高齢者看護にもいつか挑戦したいとも感じ、回復期リハビリテーション病院での経験を経てケアプロに入職。

現在、ケアプロに入職し、6年目になります。
共育の風土とスタッフのみんなに支えられ、偏った経験しかない私でも楽しく訪問看護ができています。

ちなみに、オペ室経験がメインのキャリアでも訪問看護師になられている方は意外と他にもいらっしゃいます。
主に日中に働き夜間はオンコールであることや、1日何件といった働き方もオペ室と似ており、オペ室から新たな分野に挑戦するなら訪問看護も選択肢のひとつかもしれません!

利用者様への実践の中で印象に残っていることを教えてください。

ケアプロ入職2年目のとき、初めて主となって関わったALSの利用者様が
「自分の農場を見に行きたい」という希望をお話しされ、それをきっかけに、外出支援を行ったことです。

人工呼吸器を装着され退院されてから、ご本人は長時間の車椅子乗車に慣れておらず、介助者側も移乗に慣れておらず、お互いに不安が大きかった記憶があります。
そのため、スタッフ間でケア会議を行い、アクシデントによる恐怖心の芽生えや自信喪失などを避けるため、成功体験を積むことを大切にしようと決めました。

まずは家の中で車椅子で過ごす時間を作ることから始め、次は近所の川沿いを散歩し、外出時の持ち物について取捨選択を行い、お互いに事前準備や移乗、車椅子でのポジショニング等に慣れていくというステップを踏みました。
念願の千葉の田んぼへの外出はアクシデントなく、終えられ、ご本人、奥様、ご友人の笑顔が見られ、このような仕事に携わることができてとてもありがたく感じました。

一方、そういった外出はしょっちゅうあるものではなく、日々はもっと何気なく過ぎていくものですが、ALSの方にとっては何気なく過ごすことにもたくさんのハードルがあります。
コミュニケーションがスムーズにできない、何をするにも人の手を借りることになるなどなど、細かく挙げるとキリがないかもしれません。とある方は「一人で散歩も行けないのか」と呟いたそうです。

私は訪問看護の役割のひとつに、何気ない日常を再構築することがあると考えています。
ちょっとお茶が飲みたい、本を読みたい、音楽を聴きたい、静かに散歩したい、誰かとたわいのないお話しがしたい、お昼寝したいetc…
自力でそれらを行うことは叶わなくても、ケアする側の技術や配慮によって、その人が納得のいく日常を作れるはずと思っています。

そのために、日々文字盤や口パクの読み取りをいかにスムーズに行うか研究したり、大変に見せないケア技術を磨いたりしています。

ステーションや組織づくりで、力を入れていることを教えてください。

ケアプロでは上下関係による教育ではなく互いに学びあうこと(共育)と、より良くしたいという思いがあれば、年次関係なく発信と周囲を巻き込んで行動するといった主体性を大切にしています。

新卒で訪問看護に挑戦するスタッフからも、長年病院で経験されたスタッフからも、それぞれの経験を活かして意見を出し合えるよう、カンファレンスでは意見を伝えやすい雰囲気を作るよう心がけています。

また、新卒で入職したスタッフだけでなく、既卒で入職された方も、リーダーナースが定期的に相談や面談を行い、日々の困りごとなどを聴き、ペース配分を検討したり、色々とお話する中で信頼関係を築き、ステーションを運営する一人として馴染むことができるようサポートしています。

これからどんなステーションにしていきたいですか?

質の高いケアを求め続けることと働きやすさを追求することの両立を目指したいと考えています。

若手が多い中でどんどんライフステージが変わり、時にワークライフバランスが整いにくいこともあるかと思います。
ケアプロではICT化が進んでおり、遠隔でのカンファレンス参加や朝礼終礼参加ができるため、訪問合間の時間も有効活用しやすく、働きやすさを求めつつも仕事の質を落とさない、むしろアップさせられる環境をもっていると思います。

今後もスタッフたちの声を汲み、より快適に、より良いケアを提供できるステーションを作っていきたいと思います。